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29days ago

【CLUTCH ARCHIVES】 WHEN MODERN MEETS CLASSIC  モノの本質を見極めるということ。―アウトライアーズ ディレクター/辻本賢人

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長いアメリカ生活での経験と、ヴィンテージに関する豊富な知識をもとに、そのニッチな世界の翻訳をも手掛ける『OUTLIERS』のディレクター、辻本賢人氏。常に本物を求め、逸品と呼べるものを長く愛用するのが氏のスタイルだ。

 
”逸品” を持つことで自分の奥行きが広がる
 
アメリカンカルチャーに精通あるいは傾倒した若い世代の台頭が始まっている。彼らは海外の文化をニュートラルに受け入れ、発達したコミュニケーションツールによって情報を共有している。彼らを一つの肩書きで表すことは難しいのかもしれない。とても多面的であり、物や物事に対してストレートに本質を求めていく存在だからだ。そんな若い世代を代表する存在の1人が、ここで紹介する辻本賢人氏。今年で27歳になる氏は、世を席巻したヴィンテージブームを一切経験していない。どちらかというと、ストリートカルチャーのブーム経験者だ。しかし、長いアメリカでの生活、そして帰国後も様々な国に仕事で赴く生活、そしてSNSを使って海外の方達とコミュニケーションを取ることで、我々の持つ、ある意味で凝り固まったアメリカンカルチャーの捉え方、つまり西海岸寄りでなおかつ日本的な目線で捉え直した見方とは、全く異なる目線でそれを見てきたのだ。それを体現するかのように、氏はクルマやモーターサイクルはアメリカ物に興味を示さず、サーフィンと西海岸も単なるイコールでは結ばない。アメリカンカルチャーといっても、西海岸と東海岸では異なる。前者は陽気で開放的、逆に後者は真面目で伝統的な趣があり、ヨーロッパに近い。クルマの文化は西で発達し、洋服の文化は東で発達。しかし、デニムは西で生まれた。このように要素は多種多様だが、我々世代はその断片を見てきただけに過ぎないのだ。しかし、辻本氏のような若者達はそれらを俯瞰的にかつ客観的に見つめ、その本質を見抜き、何が良いものなのかを感覚的に取り入れているのである。氏のような若者達が、アメリカンカルチャーの本質を次世代に繋いでくれることを期待している。
 



Kento Tsujimoto's Profile:
 
長いアメリカ生活で培った英語力とヴィンテージプロダクツに対する知識から、ニッチな世界特有の専門用語やニュアンスまでも翻訳に反映させるOUTLIERSのディレクターとして活躍している


コットンキャンバス素材を使った'40年代製のバッグは、ミリタリーやアウトドアのものだろうが詳細は不明。サイズ感や雰囲気がお気に入りで、バッグ・イン・バッグとして活用している
 

良い風合いのSTETSONのOPEN ROAD。羽根やマッチなど昔のカウボーイ流のさりげないカスタムが、さらに雰囲気を引き立てている。製造年代は不明だが、氏のスタイルには欠かせないハットだ
 
 
1ウォッシュに近い極上コンディションで入手したLEVI'S® 507XX。
1952年から2年間だけ作られた革パッチモデルだ。ジャストサイズでコンディションの良いものは、まさに一期一会の存在といえる
 


肉厚なウール素材を使った1930年代のSAND KNIT製スポーツジャケット。当時人気を博したデザインだが、おそらくオレンジがスクールカラーの大学または高校のクラブのものだろう

アクセサリーもヴィンテージを愛用。ネイティブアクセサリーではなく、ミリタリーのものが氏の好み。当時の所有者が様々なカスタムをしていることが多く、その一点モノとしての面白さに魅了されている

1933年にミシガン州デトロイトで創業し、モーターサイクルウエアやアクセサリーを手掛けたBucoを、ザ・リアルマッコイズは現代に甦らせている。良い風合いに経年変化したこのエンジニアブーツは、約6か月履き込んだもの
 
同じミリタリーバッグでも国によってその佇まいは少しずつ異なる。こちらは旧い英軍のアビエイターバッグで、ハンドルの長さや全体のサイズ感を気に入り、普段から使用しているものだ


JOE McCOYのスリムジーンズ、Lot.991のブラックデニムバージョン。セルビッジ付きの12.5oz.で、緯糸にグレーを使っているため色落ちするとこのような美しいグラデーションが生まれる
 

1930年代の初期ハウスマークタグが付属するLee 44-J。
右肩後ろにハンドペイントが施されたプリンストン大学のお馴染みのリユニオン物だが、‘30年代製はかなり希少。これも自身にジャストサイズという奇跡の出逢いを果たした
 

現役のプロサーファーであるChase Wilson氏が2012年にカリフォルニアで立ち上げたBYRD Hairdo Productsのポマードは、きっちりとヘアをセットするときに愛用。実は自身もサーフィンが趣味
 
1960年代前半に実在したスウェード素材×表革襟のショート丈ジャケットをJOE McCOYが再現したもの。この春の新作としてリリースする1着で、すでに襟が着用で良い風合いを見せ始めている
 
Stevenson Overalls Co.を手掛けるトパンガ代表の多賀谷氏からプレゼントされたという岡村眼鏡製作所のサングラス。数少ない関東伝統のセルフレームをハンドメイドした逸品だ
 

ヒッコリーストライプ生地に赤いコットンツイル地のクロスが施されたRED CROSSの旧い巾着。こちらも使いやすいサイズ感からバッグ・イン・バッグとして愛用しているという
 
ヴィンテージを取り入れながら上品さも感じられる着こなしは、ワークとドレスの境界があいまいだった'30年代の装いを想起させる。品のある武骨なスタイルが氏のスタイルなのである
 
 
Photo by Tadashi Tawarayama 俵山忠(Seven Bros.) Text by CLUTCH Magazine 編集部

本ジャーナルは「CLUTCH Magazine」vol.48 2016年4月号の特集内容を再編集したものです

 
 

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